『名もなく貧しく美しく』を観た♪
2011.05.11(水) やまない雨の中、小鳥達が賑やかにさえずりテラスの手すりに飛んでくる。毎日のように姿を見せる番いのひよどり。公園の緑の色が深まってきた木の枝ではカラスの雛が孵っているのだろう。親鳥2羽が雨の中も一日中忙しく飛び回り餌を運ぶのか、頻繁に巣のある場所に飛んでゆく。
とカラス
先日の朝早く、外から猫とカラスがギャーギャー、グァーグァーと喧しい鳴き声が聞こえてきたので見に行くと、
公園の高い木の枝から白猫が下りようとしていた。ツーショット出来ないのが残念だったが、同じくらいの高さのすぐ右手の木の上にはカラスが一羽、猫を見張っていた。そーっと窓を開けた途端カラスはどこかに飛んで行ってしまい、
残った猫はこの後しばらく木の上に残り、ゆうゆうと木から下りた途端、どこかで見ていたカラスが猫をめがけて飛んできたけれど、地上の猫の駆け足は早く植え込みの中に逃げ込んだ。猫はどうして高い木に登ってカラスと戦うつもりだったのかしら? 雛を守るカラスは神経質で、前にも黒猫が雛のいる木の側の木に登ろうとして、カラスと喧嘩になっていたのを見たけれど。今回は隠れる場所とてない丸裸の木のてっぺんに・・・?カラスにとっても地上戦の方がやりやすいから木の上に登ったのか???それにしても子を想う親心はカラスとて尋常ではないものがある。
大分後から公園を見下ろすと、頭に来たカラスの仕業か、大きな排泄物が朝の木の近くのブランコの下に これ見よがしに落とされていた。猫に対する威嚇の為か、稀に見る大きさ
公園のカラスとマンションに棲みつく野ら達はこの季節、まるで天敵のように仲が悪い。 最近観た映画
『浮雲』は戦後、妻のいる愛する者を追うように日本に帰国し、一途にその愛の為生き、最後に成就するかもしれないという時に命を落とすヒロインを演ずる高峰秀子の演技の旨さに驚き、2本目の『名もなく~』もごく自然に観ることになった。監督はご主人の松山善三。主演が高峰秀子と小林圭樹。舞台は戦後から昭和の31・2年頃までだろうか。
耳の聞こえない者同士の純粋な愛の形が余すところなく描かれた、本当に美しいとしか言いようのない内容に感動。白黒映像のカメラワークの素晴らしさ、出演者達の演技の見事さが、名もなく貧しい暮らしを美しく表現してゆく。手話で交わす夫婦の会話、二人が相手を指し示す手の動きの清らかな美しさにも心打たれた。
戦後のあの時代なら、誰しも苦労をしながら復興を目指した、そんな中ハンディを背負った二人の苦労は更なるものであった筈。やがて生まれた子供は親二人の耳が聞こえない故に一人を亡くし、後から授かった男の子が元気に腕白に成長してゆく。その腕白は親のことをかばえばこその腕白であり、大きくなるにつれ親思いの子の姿に変わってゆく。そんな日々の中に起こる出来事や事件を淡々と描きながら物語はクライマックスに向かう。決してハッピーエンドでは無い終わり方でありながら、だからと言って絶望だけが残るわけではなく、子が受け継ぎ、引き継がれゆく未来を示唆したラストを描いて結ぶ。
高峰秀子のセリフは耳の聞こえない人しかしゃべれないようなセリフまわしで耳障りにならず、そうした役柄を夫役の小林圭樹と二人で自然に美しく演じ、とりわけ電車の車両に二人がそれぞれ別に乗り、車両越しに手話で語り合い、夫の説得を受け入れる妻のシーンは名画と呼ぶにふさわしい美しさが漂った。
山田洋二監督が選ぶ日本映画の名作を、こんな年になって初めて観るなんて恥ずかしい限りだけれど、今だからこそ素直に味わいつくせる名作と言われる作品の重みと思わずにはいられない。
この後に予定されている『無法松の一生』も小学生の時学校から観に行った『二十四の瞳』も、そのほかの作品も、もう一度じっくり観たいと思う。昨年だったろうか高峰秀子さんが他界されたのは。遅ればせながらのファンとなりました。
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コメント
猫とカラスの攻防戦、ハラハラしますね。
やはり子を守る親かな?
どちらが強いのでしょうね
稀に見る大きさの排泄物の置き土産には笑ってしまいました。
カラスは頭が良いから自分のテリトリーを主張しているのかも・・・
私も恥ずかしながら、これらの映画を見ていません。
昔の名画はじっくりと美しいカメラワークで撮っているようですね。
毎日落ち着きの無い生活をおくっているので、TV番組を録画して見る事も無く・・・恥ずかしながら録画の仕方も良く分かっていないんです。
投稿: mayuza | 2011年5月11日 (水) 22時44分
mayuzaさま
おはようございます!
カラスと猫、何年にもわたる抗争が

続いているのですが、地上と空中の争いに
決着がつくことは無く、子ガラスや子猫が生まれると
こうした抗争があって、見ていると可笑しいですよ
そうそう、餌取り争いもあるみたいですよ
ということを遅まきながら知りました
耳が聞えず、夫は話すことも出来ないという
特殊な状況なのに、純粋に愛し合う夫婦と、
親子3代の姿も淡々と描かれて、
監督脚本の松山さんに主演のお二人、
脇を固める俳優さん達と、愛情のこもった
久し振りに素晴らしい映画を観る事が出来ました
若いころに観なくて良かった映画というのが、
今回の感想です
投稿: chisa_pie | 2011年5月12日 (木) 11時18分
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