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映画「七人の侍」を観て。

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昨日観た映画「七人の侍」。

本当に面白い映画ってあるんだ~と心から思った。前篇、後篇ということで途中休憩タイムまで入る位長い映画だったけれど、無駄に長い訳ではないので、夢中で観て、終わったら長かったと思っただけで(207分)、実に壮大な面白いスペクタクル映画でした。

1954年(昭和29年)の黒澤明監督42歳の時の作品。ベネチア映画祭銀獅子賞(監督賞)受賞作品。

おはなしでは無い、リアルな時代劇を作ろうということで出来たこの作品は、いわゆる普通の時代劇では無い所がユニークであり、監督目指すところのヒューマンな思想に溢れた物語を登場人物、背景、リアルなセットも含めて、余すところ無く、見事なまでに描き切り魅せてくれる。時に笑いを誘い、時に涙を誘いながら、緻密な計算によるストーリー展開の無駄のなさが長さを感じさせることが無かったのだろう。

  ☆☆☆☆☆   

荒くれ野武士に、作物を盗られ、百姓の女房も連れ去られ、いつも野武士たちに痛めつけられている百姓が、村の長老のところに集まり、長老の考えを聞くところからこの物語は始まる。長老の意見は、野武士退治には、腹を空かせた侍を雇えばいいという。

早速何人かの百姓が、旅に出て腕が立ち力になってくれそうな、しかも餓えた浪人探しにあたる。そして、集まった六人の武士ともう一人、三船敏郎扮する菊千代と名乗る何だか武士にしては軽い人物像だが、とにかく七人が集まり村に入る。

志村喬演ずるみんなが頭として尊敬する人物が、地形を見、緻密な戦略を練って指揮を取る。そして村の百姓達と共に戦略を練り、侍たちが戦い方を教える。やがて刈り入れが終わる頃、野武士はやってくる。戦国の世で戦い抜いてきた志村の緻密な戦略は見事に当たり、村は救われ、やがて又田植えが始まるが、七人の侍は三人になってしまう。

簡単に言えば、それだけのことなのだが、侍を一人一人探してゆく様、六人の武士に最後に加わる、菊千代という侍。菊千代は実は百姓上がりの侍、それを志村に見抜かれてしまう。村で侍の一人が戦の旗を作る。○が六つに△が一つ。この△が菊千代なのだ。

だが、この△の菊千代が、侍と百姓の間を上手にとりもち、村の子供達に慕われ、様々なエピソードで活躍してくれる。三船敏郎の笑いを誘う演技の巧さに感嘆してしまった。若き日の木村功演ずる若侍の働きや村娘との恋なども添えられて、温かな人間関係の中、決戦の日をむかえる。あくまでもリアルに丁寧に嘘を感じさせない演出、そして俳優達の演技力、観ているうちに、この俳優もあの俳優ももうこの世に居ないと、余計な考えまで浮かんでしまい悲しくなりながら(余談)、決戦が始まると、仲間の侍が一人、二人と死んでゆく。そして、お尻丸出しの演技で笑いを誘った愛すべきキャラクターを備えた菊千代も死んでしまう。リアルであるだけに涙を誘う。

081103_1640_2 tv 死んでいった侍達と菊千代の墓。

白黒映画の最高峰に属する位の傑作だ。やはり幾つものシーンが印象に残る。

制作に携わった監督以下、俳優さん達は泥まみれの撮影に、火事のシーンでは、けが人も出たというくらいハードなものだったらしい。相当な危険さえもあったことだろう。それだからこそ、見る者の心を打ち、とらえることができるのだろう。黒澤監督がこの映画に対して、「みんなに、何かが乗り移った事があるんだよ」と言われたとか。

黒澤監督の映画は実にさっぱりと男っぽい。それだけに、若い頃の自分などに理解出来なかったことがよく分かった。改めて、こんなに面白い世界中から高い評価を得られる映画が、50年以上前に作られていた事が、すごく誇らしい。

2008114

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