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幸せな勘違い

昨日は午後から渋谷の母を訪ねる。玄関のベルを押してからややもして鍵が開く。何だか外出していたようでもないのに、長めのコートを身につけている。部屋に入ればヒーターも付いていて、急いで換気をする。

どうやらコートを着たまま眠っていたようだ。「今日は歌舞伎をやっていたので、ずーっと見ていたのよ」と言う。テレビを見ているうちに眠ってしまったようだ。季節や気温に合わせた服装が出来ないのか、本当に寒いのかがこちらには判断がつかず悩むところ。

昔から父親の影響で歌舞伎が大好きだった。長唄と三味線を50年以上続けて名取の免状も持っている。国立劇場での演奏会などに出ることもあった。

そんな母が今では全く三味線に触ろうともしない。飽きてしまったのだろうか。三味線を入れた桐の箱が桐ダンスの隣に並んでいる。「片づければ、広くなって少し使い良くなるわね。」と言ったら「そうね、いらないのよね」といとも簡単に応えが返ってきた。

身の回りのことを能動的にやろうという意欲が無くなってしまい、何でも人にしてもらうようなっているからお稽古事も同じようなくくりに入っているのかしら?デイサービスに行くことが今は一番楽しみな母だ。

それでいて、最近はデイサービスに行くことを仕事と思っているようで「あたしの行っている部署はいくら働いてもお給料をくれないのよ。」と愚痴を言う。ヘルパーさんにもこぼすそうだ。「楽しみで通っているのよ」と説明すると「そうだったの」と言いながら納得がゆかないような顔。「お風呂に入れて貰って、お昼も食べてくるでしょ。こちらでお払いするのよ」「・・・・もったいないわね。」・・・・いつまでもその件に執着するわけでは無いけれど、勘違いの世界に生きていることもしばしばだ。

母のところから帰宅の途中の買い物帰りに、丈夫そうなパセリの苗などを買い、今朝はプランターに植える予定が、曇天の空を見ているうちに何だかやる気がしなくなってしまった。疲れが出たのかもしれない。

雨が降らないうちにと二人で散歩に出かける。今日は他所のお宅の木や草花を眺めるのが楽しかった。草花も木々の成長も日々の変化が早く、散ってしまうもの、咲き始めるもの様々だ。白い馬酔木の花が目につく。

午後はめずらしく2時間も昼寝をしてしまった。

2008年4月17日

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コメント

お疲れ様でした~。ゆっくりして疲れをとってくださいね♪

おばあさま、三味線は残念ですが・・・・デイサービスが楽しいというのはよいですね。

何かしら「楽しい」と感じてもらえることがなによりだと思います。

投稿: まめこ | 2008年4月17日 (木) 23時46分

まめこさん、
ありがとうございます。色々と判断に苦しむ事もでてきますが、デイサービスに行くことが楽しみで「幸せよ~」という母を見ていると本当に有難いと思います。

少々の勘違いや物忘れ位で暮らしていられれば上等ですね。

今回は杖を持参して渡したのですが、しばらくするうちにどこかへ仕舞ったのか、忽然と消えてしまいました。探しても出てこないし、母も探し始めるのですがハンドバッグの中を探してみたり・・・・?、探しものの形状もわすれちゃうみたいです。戸締りとか用心深さなどは意外としっかりしていて不思議ですね。

投稿: chisa_pie | 2008年4月18日 (金) 10時38分

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